松囃子の写真と音声(サムネイル・音声解説)

00/03/14



能場1

能場2

床と鏡板

蓬莱三方

将軍木
舞人
地方

2.松囃子の音声

 菊池の松囃子は最初の口上、二段目の笹の段(笹を持って舞う)、三段目の扇の段(扇を持って舞う)で構成されます。このファイルは笹の段を録ったものです。

 この中に出てくる「松やにやに」という言葉について、徳島文理大学教授で菊池の松囃子の研究をなさっている吉川周平先生は次のようにおっしゃっています。


 「松やにやに、小松やにやに」というのは、門松みたいなものは元々立てておけば、正月が来るわけなんですけれども、松の枝を切った人が持ってくると、それからは松やにも出るわけですね。越前漫才 という、今、福井県に残っているものなんかには「穴の中からやにがでる」というような、ちょっとえげつない言葉を言うところがあって、それは、やはり、農耕儀礼的な部分ですね。つまり、性的なことを意味してると思うんですけど、松やには松の精でありますね。こういう言葉をもって囃すのが松囃子の特長です。

 やはり松囃子をルーツに持つ博多のどんたくでは、今は松囃子の部分でも「松やにやーに」と言っては囃さないんですね。「一本の柱は」とか言って、いわゆる言立というものをやっているんですけども、『養生訓』を書いた江戸時代の儒者、貝原益軒 は『筑前国続風土記』という本の中にですね、「この頃、松どのや、松どのや、小松どのや」というようなですね、ご存じのように、福岡のほうにですね、宋の国から物をこっちによこしたときに、平重盛 ですね、小松殿、小松の内府といわれた方が、お金を中国へ送ったということでもって、それに絡んだ言葉だといって、間違えているんですけども、「松やね、松やね、小松やね」というような言葉で囃していたということは、『筑前国続風土記』というのには書いてありますから、あちらにも「松やにやーに」に近い言葉で囃していたので、これが松囃子独特の囃し言葉であると思うんです。」

(1998/10/28菊池福祉会館講演会にて)

松囃子笹の段の音声(486KB)のダウンロード


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