菊池井手(2)

2000/08/23

 菊池井手は菊池堰で分水したあと深川方面に流れます。隈府から火の天神の坂を下って菊戸橋から赤星へ向かう、旧325号線の途中、ちょうど火の天神の坂を下り終わり、北宮から深川へ通じる道との交差点の下の石橋の下を通って深川地区に流れています。この石橋の上から川下を見ると、井手の上に石で造った橋のようなものがかかっているのが見えます。


水道橋

石の水路

 火山岩で造られた水道橋(正式な名前はわからない)。石の継ぎ目は漆喰ででも固められているのか、漏水は見られません。菊池井手の両脇の水田は別の井手の水系で、菊池井手をまたいで下の水田に水を流すためにかけられています。規模は違うが、通潤橋と同じ目的です。溢れた水は菊池井手に帰されます。2000/07/16  

菊池井手

石の水路 菊池井手
 水道橋と水田の中を通る菊池井手。この石の構造物のある風景が僕の記憶の最深層にあります。母の実家が赤星で、蚕が上がる頃や盆や正月に私を連れて里帰りをしていました。僕は途中で歩くのが嫌になって、おぶってくれるようにぐずったものです。時々はおぶってくれたり、しっかり歩くように言われることもありました。母の背中で丹前にくるまれた安心感、道の向こうから車のライトが探照灯のように動きながら夜空を照らす景色なども最も古い記憶です。菊池井手や水門を見ながら「女学校への通学の途中、禁漁区のこの井手には大きな鯉が群れて泳いでいた」と母が話したこともはっきりと覚えています。
 井手は豊かな水をたたえて深川地区方面へ流れます。 2000/07/16

田んぼへ

畦と水路
 分水して畦の中を流れる水。先祖からの賜物、水田。先人が命を削って開き、光と水と土とで豊かな米が出来るというのに、半分近くの水田は減反を強いられて米を作ることを禁止されている。こんな政策はどこか間違っていると感じます。 2000/07/16


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